Sunday, March 09, 2008

谷口 愛 (Ai Taniguchi)




谷口 愛 (Ai Taniguchi)
1980年4月26日生まれ。
岡山県出身、現在は京都市在住。
原っぱでビリヤードに興じるモグラたち、ヒツジたちの聖歌隊、美術館で絵画を鑑賞するカメレオンたち、他にもウサギ、イヌにキリンといった擬人化された動物たちが繰り広げる田舎町での楽しげな生活を描いた作品は、見ていると心が和む。
2006年に開かれた個展 「ブラウニーものがたり展」 に寄せた文章で、谷口愛は、

私は製作するにあたって『日常の中の非日常』を描いています。
日常にあるもの・自分の周りにある言葉(キーワード)から連想ゲームのように妄想していき、画面構成していくと不思議と物語・世界が出来上がってきます。
絵の中の世界は不思議なものでもファンタジーでもなく、常に日常にあるものを私の中での別の姿を表現しているだけです。
少し視点を変えただけで何でもないものが面白くなる。
そういった私の中の『日常の中の非日常』を、少しでも観た人が笑ってもらえるような作品を、作り続けたいと思っています。

と書いている。
堅牢な異世界を構築してしまうのではなく、あくまで日常をベースに視点を変えて物語・世界を作っていく、それだけのことで (もちろん言うは安しってことだが) こんなに楽しげな作品が出来上がるということを教えてくれる。

ポストした作品のタイトルは、1枚目が 『最高のアウトドア日和』。
豪雨降りしきるキャンプ場で食事をする少女と魚。
この作品はその発想のもとになっているのは多分不思議の国のアリスのマッドティーパーティーだろう。
それを換骨奪胎することでマッドティーパーティーとはまた違った魅力のある世界を作り出している。
赤い傘がいいアクセントになっているし、その傘を差した少女の困った表情が笑いを誘う。
そして水槽と化したテントとそこから顔を覗かせる魚がこの作品をよりいっそう不思議なものにしている。
『たくさんのお土産』 というタイトルの付けられた2枚目の作品。
積み上げられたトランクには様々な世界がぎっしりと詰まっているのだろう。
トランクから飛び出して床に転がった魚がちょっと気になる。
そして、最後の作品は明日から開催される個展 『おやゆびひめ』 のために制作された作品。
場面の切り取り方が上手い。
3作品ともご好意で大きい画像を提供して頂いた。
特に1枚目の 『最高のアウトドア日和』 は、大きな画像で見るとその素晴らしさがより感じられると思う。

Education:
成安造形大学印刷クラスイラストレーションコース卒業

上にも書いたが、明日から個展が開催されるのでそのご案内を最後にしておこう。

3度目のMAYAさんでの個展になります。
今回は物語に沿ったイラストをテーマにし、おやゆび姫の絵本用原画を制作しました。
その他に仕事で制作した原画(ピーターシリーズ等)を展示致します。
是非、御高覧ください。

谷口愛展 「おやゆびひめ」
会場: ギャラリーハウスMAYA
期間: 2008年3月10日(月) ~ 2008年3月15日(土)
開廊時間: 11:30am~7:00pm (土曜日5:00pm迄、休廊:日曜日)
〒107-0061
港区北青山2-10-26
03(3402)9849
http://www.gallery-h-maya.com/

谷口愛Webサイト
GALLERY HOUSE MAYA/HOME
成安イラストレーションクラスニュース: ブラウニーものがたり展 (谷口愛イラストレーション展)

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