Thursday, March 27, 2008

釣巻 和 (Tsurimaki Nodoka)




釣巻 和 (Tsurimaki Nodoka)
漫画家、イラストレーター。
サイトで見ることができる作品に限って言えば、ポストした作品のように青を基調とした作品やポイントとして使用した作品が多い。
うだるような暑さの感じられる夏の青さというよりも、梅雨の間に訪れたひと時の晴れ間の様にどこか懐かしい匂いのする青さ。
この懐かしい青さは、童話や児童文学などを読んでいるときに時折感じられるものともよく似ている。
実際、釣巻和は新潮社の新潮デジコミ com2というサイトで 「童話迷宮」 というカラー漫画を連載中。
また、月刊COMICリュウでは 『くおんの森』 というマンガの連載も持っている。
実を言うとどちらの作品も未だに読んではいないのだが、月刊アフタヌーンだけはダラダラと買い続けているので、2007年10月号に掲載された 「家族の食卓」 という短編だけは読んだ。
『ヒストリエ』 が掲載されていれば、おっ、今月は当たりじゃん、と考えてしまう不届きものなので、アフタヌーンに掲載されているマンガをすべて読んでいるわけではない。
『ヒストリエ』 の他には 『爆音列島』 と 『大きく振りかぶって』、『蟲師』 などは時間をかけて読むが、それ以外は斜め読みか、最初っから目を通さ無いことがほとんどで、年に一度か二度くらい、すべての作品を読んでみることがある。
そんな訳で、「家族の食卓」 が掲載されていたことにも気付かずにいた。
雑誌は半年分くらい溜まったらまとめて捨てているので、検索して「 家族の食卓」 が掲載されていたって事を見つけなかったら、そのまま雑誌を捨てていただろう。
あぶない、あぶない。
で、先程読んだのだが(すみません^^;)、オフィシャルサイトでも読めるマンガがあるのだけど、それともかなり雰囲気が違っていていた。

「あるひとつの
ありふれた家族の
一日である」
と始まるだけあって、10ページまでは普通の家族の忙しない一日の始まりが描かれていく(様に見える)。
いたって平凡な朝、家族そろっての朝食、急いで学校へ登校を始める子供たち。
学校へ向かう長女たちふたりの少女の前に元気に駆けてきた少年が現れる。
どうやら顔見知りのようで、少女たちと会話を交わした後、少年は足早に走り去って行く。
この少年は8ページ目の冒頭に登場し、9ページ目の終わりには退場するのだが、ここで少年がしている首輪に気付かないと、この少年が走り去った後に現れる飼い犬を探しているという少年と少女たちの会話の終わり頃、少年が取り出して少女たちに見せる引き千切られた鎖への違和感を感じ損なうことになる。
つまり物語の変化へのさり気無い呼び水となっているのだ。
そして、走り去った少年と入れ替わるように飼い犬を探している少年が登場する。
総ページ数36ページの内の4分の1以上を使って積み上げられ一見平凡に進行しているかの様にみえた物語がツイストを始めるのはこの少年の退場後、11ページ目に入ってからのことである。
以下略。
という訳で、日常に潜んでいるストレンジャーをコミカルに歯切れよく描いた「家族の食卓」にはなかなか楽しませて頂いた。

まず、イラストレーターとして認識していたので、そのつもりで文を書き始めたのだけど、検索しているうちに、おや、漫画家なのか?と遅ればせながらに気が付いたので、変な構成になっしまった。
尚、今月号のアフタヌーンは久しぶりに頭から順に読んだのでその感想も長々と書いていたのだけど、長々となりすぎて、しかも批判が多くなってしまったので、力作だが割愛することにした。
時間かかっただけに残念。

雨花
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